白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
近付き過ぎた距離を
離すように後ずさり
『私、もうちょっと風に
当たって帰るね』
名残惜しさを隠して笑うと
「いや、全然。
イレギュラーあって
酔う暇なく店から出たから
姫凪、これから
軽くお茶でも…?」
まさかのクロからの誘い
な、なんだろ
想定外だから、かな?
普通に
『お茶…ね、うん。
少しなら…』
嬉しい…かも。
昼間すごく気まずかったし
クロの事だから
しばらくは誘ってくれないと思ってた
特に二人切りなんて
絶対ないって
だから余計に嬉しくて
「え?マジ?
ラッキー…
お茶じゃなくて飲みに誘えば
良かったなァ」
クロの言葉の
奥の奥まで覗きたくなって来る
『お酒は、だめ!
私弱いから…』
首を振りながら
クロを見上げると
「へー?弱いわけね?」
あのイタズラな笑み
邪が混ざり
色気が漂うその笑みは
『弱いのは、お酒にデス!!
顔が邪一色になってる!』
凄く凄く好きだった顔