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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ


藤原さんの言葉に
小さく"ハイ"とだけ
応えたけど
意味はよく分からなかった

そう、この日の帰り
クロと遭わなければ。

ご飯をご馳走になって
少し話したけど
藤原さんの"頑張って"の意味は
分からなかった

「…遅くなっちゃったね
姫凪、家まで送っていくから
乗りなよ」

『…最寄り駅まででいいよ
明日のお弁当の材料買わなきゃだから』

本当は残り物でも
何とかなるから
送ってもらう方が楽なんだけど

食べ過ぎたお腹と
色々考えて重くなった心を
軽くするには
少し風に当たりたいと思った

「そう。
じゃあ駅で降ろすけど
フラフラしないで帰りなよ
おれ、クロに怒られるの嫌だから

藤原、出して」

アッサリ承諾した研磨くんに頷き
来た時よりショートカットな
裏道を通って駅前まで送ってもらった

あまり冷たくない風が
頬には心地いけど
指先には冷たい
特に左手は…。

いつもこっちの手は
大きくて温かい手に
包まれてたもんね…。
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