白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「そう、じゃあそこで
チョイスは任せる」
「分かりました」
「うん、ありがと」
振り返らず
前だけ向きながらの
事務的な会話なのに
何か良い雰囲気の二人に
『仲良くて羨ましい…』
ポツリと零れた言葉
と、同時に掛かった
急ブレーキ
『きゃあ!どうしたんですか!?
猫でも飛び出したんですか?!』
前に大きく揺れた身体を立て直して
運転席を見ると
「な、仲が良いなんて!
そんな…事!
ないですから!!」
あんなに冷静だった
秘書さんが
真っ赤になって
ゼェゼェと息を荒げている
そんな悪い事言ったかな?
チラリと研磨君を見ると
「…ないんだって。
てか、姫凪こそ
クロとどうなの?
本気で終わらせるつもり?」
少し不機嫌な顔で
サラッと話題を変えられる
その変えられた話題が
クロって…
『研磨くん意地悪…
本気で終わらせないと
駄目だって
思ってるでしょ…』
やっぱり私のさっきの発言は
地雷だったのかって思っちゃう