白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第2章 幸せの時間
思わず抱き締めたくなる俺の前に
「黒尾さーん!おめでとございます!
ね?今日どこかでお祝いしません?
ご飯行きましょー?」
「ちょっと!ずるい!
私もお祝いしたい~
家飲みしません?
私、こう見えても料理得意なんですよ~」
「ハイハイ、また機会があったらねェ
これからは飲んでないで仕事しねぇとだから」
吉報に群がる婚活女子達
得意の営業スマイルで躱しながら
「姫凪ちゃん
コーヒー淹れて?
眠気ぶっ飛ぶ様な濃いヤツ」
パソコンに向かう姫凪の背中を
指で軽く突き
「(お祝い楽しみにしてる)」
コソッと耳に声を落とす
『…は、はい!
すぐ持って来ます!』
さっき可愛く動いた唇が
少しへの字に曲がり
真っ赤になって給湯室に
去って行く姫凪
本当外さねぇなァ