白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第2章 幸せの時間
「黒尾、今度のプロジェクトは
宮城の支店から
強力な助っ人読んでるから
お前がリーダーで仕切って成功させてくれ
頼んだぞ!」
上司のデスクの前
少し前に出してた企画書と
"リーダー"と言う言葉
「は、はい…」
ゴクリと唾を飲み込むと
「デカイ企画だし
お前がずっと提案してたヤツだから
気負うのは分かるけど
落ち着いて取り組みなさい」
緊張する俺の背中を上司が叩く
緊張するなって方が無理だ
これが上手くいけば
異例のスピード出世じゃね?
姫凪との結婚が
見えて来た所に
この抜擢
天は俺の味方だって
本気で思った。
ふと視線を感じて振り返ると
目が合った姫凪が
ニコリと笑って
"おめでとう"と音のない唇を動かす