白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
見えなくなった背中に
ソワソワする
追いかけようか?
いや、離れなきゃダメなのに
それは駄目でしょ…
バタンと閉まった重いドア
「邪魔した?ごめんね」
それより重くのしかかる
及川さんの声
『いえ、全然…』
恐る恐る応えると
「そんなにビビらなくても
良いよ。
責めるつもりなんかないし。
ただ…今の状態は
クロちゃんを苦しめるよ、きっと。
姫凪ちゃんが
戻る気ないなら
あんな顔はしない方が良い
どんなに苦しくても人は
希望があれば折れないよ
生殺しが一番残酷だ」
"責めるつもりはない"と言いつつ
ズバズバと吐き出される言葉に
垂れに頭を
「ごめん。
言い方キツかった
でも、アレじゃクロちゃんも
期待するよ
まだ自分を好きなのか?ってさ。
浮かれて押して拒否られて…は
さすがにキツい。
隠せないなら弁えなよ
俺にしてるみたいに
薄くてもシッカリ線を引けば良い。
揺れてるのが分かって浮かれても
線引きされてたら
その先を諦められる」
及川さんが撫でながら話す