第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

そう言って細めた目にも
自分が映ってるのが分かって

『無理ですぅ！
てゆっか、鉄朗も全然食べてない
…あ、クロ…だった…』

私はまた心を鷲掴みにされてしまう

「姫凪の呼びやすい方で
呼んで良いんですよー？」

相変わらずの
悪い顔をニヤニヤさせながら
頬を撫でるクロ

少しカサつく
大きな手の感触が
懐かしくて堪らない

「姫凪…」

『…！！お触り禁止！』

ダメ！
本気で愛しく思って
どうするの？
どうなるの？

今更なのに
まだ愛されたいなんて
思っちゃダメなのに！

冷静さを保てない程
ドキドキ跳ねて煩い心臓

「嫌デス

…姫凪…可愛過ぎる…」

頬から唇に移動して来た
男らしいのに
色っぽい指先

近付く顔
私を映した瞳

そして

「姫凪、俺は…」

抑えられた後頭部は
この先起こる事を
脳に思い出させる

キス＿＿＿！？

『クロ…ッ
駄目…デス…！！』

それは駄目でしょう！？