白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
もし、一度でも
キスをしてしまったら
もう思い出を封じ込めるなんて無理
私の頭の中は
愛されたいと願う
身勝手な願望一色になってしまう
胸を押し返してみるけど
その手に力は
あまり入ってない
「駄目って顔してねぇけど?
嫌ならもっと
嫌そうな顔しねぇと…」
それをクロは見抜いてるのを
私は分かってて
『止めて…』
煽る様に目を潤ませてしまう
こう言えば
「飯より美味そう…
姫凪…おいで?」
クロが私を引き寄せてくれるのを
頭が身体が覚えている…から
私の記憶通り
クロの大きな手が
私を引き寄せて
身体を抱き締める
「姫凪、痩せた?
チャント食ってねぇんじゃね…?」
身体のラインをなぞる手付きは
私に色々な事を
思い出させる
愛され抱かれていた
あの頃の記憶を鮮明に…。
抱かれたいよ、クロ…って__!!
『クロ…本当に止めて…!
私達、もう…こういう事しちゃ
駄目なんだから!』
思っちゃイケナイ
悟られちゃイケナイ