第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

『あ、おかえりなさい…
え？研磨くんと食べて来たんじゃ
無かった…んですか？
お茶入れますね』

落ち着け。
ドキドキするな！
冷静に、冷静に！！

必死に言い聞かせて
席を立つも

「…周り誰も居ないし
敬語じゃなくて良いって
姫凪、飯は？
もう赤葦と食ったの？」

近くなる声に
うるさいくらい高鳴る心臓

『ううん…
赤葦さん部長に誘われて
出て行っちゃって
私は資料整理に手間取ってたから
まだで…』

「そっか
じゃあ一緒に昼にすっか
会議室開いてるだろ
ユックリ食おうぜ」

『は、はい！
お茶淹れて来ます…！』

赤い顔を見られないように下を向き
クロから距離を取る

一緒にご飯とか
ちょっと久々
しかも二人切りとか
…って！そうよ！
二人切りなんだ！

「姫凪、すぐ戻るから
先に会議室入っててくれ！」

『え？クロ
何か忘れ物？』

まさかクロも
二人切りが気不味くて
誰か連れて来るとか、かな？