第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

隠そうとすればするほど
それは私の中で大きくなっていく

でも…

『今更、だよ。
クロとは…戻れない』　

そう、今更なのよ。

「…キミはそれで良いの？
本当に？」

『良いって思えるくらい
吹っ切って強くなりたい
そうじゃないと進めない…から
クロは私に…幸せになれって
言ってくれた
私は幸せにならなきゃ
その為にも…
クロへの想いは断ち切らなきゃ
駄目…なんです…』

落ちそうになる涙を
グッと堪えて
及川さんに応えると

「…そう。
分かったよ
姫凪ちゃんが前に進みたいなら
俺も協力する
ホントは俺を好きになって
クロちゃんを忘れてくれたら
ベストなんだけど
きっとソレはないだろうしね～」

笑いながらも寂しそうに話し

「諦めてあげるよ
俺も次の恋に向けて進むから
一緒に進もう？
キミが望むなら
出会いの場はいくらでも用意するし
気が紛れるなら
こうして弱音にも付き合うから
泣かないでよ、姫凪ちゃん」

私の頭を優しく撫でた