白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
相変わらず軽いのか優しいだけなのか
掴み所のない及川さんの
ペースに乗せられ
閉鎖的な空間にまで
ノコノコ来ちゃうとか
私って実は軽薄なんじゃ…
そんな事が頭を過りながらも
「でさー、酷いんだよ!
岩ちゃんがね……」
『それは及川さんが
悪いと思うけど…』
「姫凪ちゃんまで
そんな事言うの!?
及川さん孤独!!」
私とシッカリ距離を取って
他愛もない話をして
笑わせてくれる及川さんに
ビシビシに張った警戒が
続くわけもない
それを察したのか
「笑えて良かった
アレからチャント話してなかったし
会社でも話せないし
いつか二人でユックリ
話したいと思ってたんだ」
途端に真面目なトーンに変わる声
『話もなにも…』
「身構えないでよ
別に俺のオンナになれ、とか
強引な事言うつもりじゃないから
安心しなよ
何て言うか…」
マイクを遠ざけ
離れてた距離を少しだけ詰めて
「ゴメンね、姫凪ちゃん」
及川さんが私の頭を優しく撫でて呟く