白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
てっきりスグ追い付くと思ったのに
駅までの帰り道では
姫凪は捕まらない
タクシーにでも乗ったか?
仕方なく姫凪の家に
向ってインターホンを鳴らすけど
応答はなくて
帰って来てる気配はない
研磨の所か?
まさかな。
じゃあ一体どこに?
近くのコンビニ
遅くまで空いてるスーパー
歩いて行ける距離の所は
アチコチ覗いて
もう一度家に帰ってみるけど
「…居ないってどういう事だよ」
そこから数十分
マンションの前で
待ってみたけど
部屋にあかりは灯らなかった
友達の所にでも
行ったのかと
無理矢理納得して
自分の家に帰ろうと
進めた足が
物陰に身体を運ぶ
だってマンションの前に止まった
タクシーの中から降りてきた、のは
「…部屋までは送らないよ?」
『…ありがとうございます
及川さん』
姫凪とオイカーくん
「そこは"上がってお茶でも"じゃないの?」
『…』
「…ウソだよ!バーカバーカ!
俺も責任持てなくなるし
上がり込むつもりはないから
そんな怖い顔しないでよ、ね?」