白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
『一緒に帰ってあげなよ
顔色悪いよ』
見合い写真を鞄に押し込み
そのまま俺に押し付けて
『また明日会社で
おやすみなさい』
ペコリと頭を下げて走り去る姫凪
淡々とし過ぎじゃね?
そんなに俺の事は
もうどうでも良いのかよ?
お茶の誘いに乗ったのは
ただの気まぐれか?
チラチラ見せて来る
オンナの顔は
俺の勘違い、自惚れなのか?
「お客さん?」
とか、一人で考えても
どうにもならねぇって!
早く追いかけねぇと!
「スンマセン
オツリ結構なんで
これで家までお願いします!
どうしてもマズい事があったら
この番号に電話下さい」
名刺と札を運転手に渡し
「ハナちゃん!
チャント帰れよ!」
「…あ、はい?
おやすみなさい…」
「帰ってから寝ろって!
マジで死ぬ気で起きててくれ!
じゃあな!」
出発ギリギリまで
今にもオチそうな
ハナちゃんに声を掛けて
姫凪の後を追い掛ける