白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
いやいや、しかし。
研磨が言ってた話だと
俺の相手は
失恋で引き籠もりで
親が勝手に見合い決めたとかなんとか
「へぇ…アナタもお見合い?
すごい偶然」
「俺にじゃなくて
親友に来た話なんだけど
俺が失恋でグダグダだからって
押し付けて来たんだよ」
「…そう…」
相手も俺の話に
何か思う事がある様で
ソワソワし始めた所で
「「あの…!」」
揃った声
「なに?」
「そっちこそなんですかァ?」
「私のはたいした事じゃないから」
「俺だって…特に重要ってわけじゃ…」
切り出すタイミングを逃して
切り出しを押し付け合う事
数分
隣からで小さな溜息が溢れ
「…飲みません?
お互い今日限りのお付き合いだし
下手な詮索してても
時間とお金の無駄だし」
氷が溶けて
薄くなった酎ハイに手がかかり
グッとモヤモヤした話題ごと
飲み込む様に一気された
「そうだな、って!
いくら薄くなってるからって
一気はマズくないですかァ?
ぶっ倒れても
送りませんよー?」