白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
潤んだ目が俺を映しながら揺れて
眉が下がって行く
記憶にある俺の姫凪と
重なる表情に
タガが緩んでいく
「飯より美味そう…
姫凪…おいで?」
立ち上がり
ユックリ近付き白い手を握り
引き寄せると
ガタンと大きな音を立てて
椅子が倒れ
姫凪の身体も倒れ込んで来る
甘い匂いが鼻孔を擽り
柔らかい感触が
劣情を煽る
「姫凪、痩せた?
チャント食ってねぇんじゃね…?」
抱き締めた身体を
撫でながら
耳に声を落とすと
『クロ…本当に止めて…!
私達、もう…こういう事しちゃ
駄目なんだから!』
さっきより強く押し返される身体
知ってる
分かってる
誰よりも分かってるけど
好きなんだ
触れたいんだ
まだ誰のものでもないなら
また俺の元にって
思ってしまうんだよ
このまま襲うのは簡単だ
イカせる自信もある
でも…肝心なワンピースが
俺には足りないから
この先を望む事も
する事も
諦め続けるしかない