白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「…周り誰も居ないし
敬語じゃなくて良いって
姫凪、飯は?
もう赤葦と食ったの?」
『ううん…
赤葦さん部長に誘われて
出て行っちゃって
私は資料整理に手間取ってたから
まだで…』
「そっか
じゃあ一緒に昼にすっか
会議室開いてるだろ
ユックリ食おうぜ」
『は、はい!
お茶淹れて来ます…!』
予期せぬ二人きりに
自然と緩む口元
「姫凪、すぐ戻るから
先に会議室入っててくれ!」
ダッシュで近くのコンビニに
駆け込み
スイーツを二個買い足して
会社に戻る
浮かれ過ぎ?
仕方ねぇじゃん
二人きりでの飯なんか
別れて以来初めてなんだもんよ。
「はい、オマケ。
後で食おうぜ
ほら、座って…頂きまーす」
姫凪を対面に座らせ
パチンと手を合わせる
『いただきま、す』
少し緊張してる
姫凪の声が
高校時代を思い出して
またソワソワと胸が跳ねて
『…見過ぎ…食べ難い…』
姫凪から目が離せない