白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
湯船に浸かると
激しく穿かれたソコが
まだヒリヒリ痛む
快楽より悲しさと
懺悔に満ちた行為に
脳が涙腺に働きかけ
ぽたりと湯船に波紋を作る
最後には
ちょうど良い…んだよね、きっと。
未練を残さない様に
終わりはサヨナラは
悲しく苦しいくらいで
ちょうど良い…
涙をバシャバシャと
乱暴な洗顔で隠し
私だけの香りを纏って
バスルームを出る
さぁ、どうしようか…
電話…直接…今すぐ…明日?
グルグル脳内を巡る考えを止めたのは
「姫凪!」
鉄朗の声
『あ、鉄朗…』
見慣れた部屋着姿のまま
リビングに飛び込んで来る姿は
私が昔熱を出して倒れた時と同じ
身なりとか時間とか
そんなのブッちぎる程
必死に向かって来てくれた
いつかと重なる
鉄朗は変わってないね
いつだって私を一番に
考えてくれる…
私が苦しくない
苦しまない様に
「なーに勝手に帰ってんですかァ?
めちゃくちゃ心配しましたァ…!」
いつだって笑って迎えに来てくれる…