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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


お気に入りの香りに
変わっていく身体
それなのに涙は止まらない

浴室に置かれた鏡にうつる
身体には
見覚えのないキスマーク
何度も擦って匂いを消しても
消えない及川さんの爪痕を
用意された部屋着で隠して
部屋に戻る
サッパリしたのは身体だけで
心は余計に重くなった様に感じた

テーブルに置かれた食べ物も
とてもじゃないけど
お腹に入る気がしなくて
申し訳ないと思いつつ
冷蔵庫に戻していく

ハッキリしてしまった意識は
ベットに現実逃避する事も出来ず
リビングに足を運ばせる
明るい照明は
二人の想い出を照らすから
光を落として
ソファーに腰を沈めた

目を閉じても
開いてても
罪悪感が纏わりついて来て
洗ったばかりの顔に
涙の道筋を付ける

時計の針の音だけが
響く部屋に

「姫凪、ただいま」

鉄朗の声が混ざる

愛しい声が今は怖い

『鉄朗…あの…』

知ってるんだよね?
鉄朗は
私が及川さんの部屋に居た事も
きっとそこで何があったのかも
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