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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


研磨くんの秘書に何度も諭され
鉄朗の部屋の鍵を開ける

「布施さんが
落ち着くまで此処に居ますから」

どこで買って来たのか
飲み物や軽食の入った
袋を差し出し
"良ければどうぞ"と
穏やかな声で言った

もちろん食欲はない
ここでこうしている事も辛くて堪らない
膝を抱えると
絡みつく及川さんの香りが
鼻を擽り
消えない現実を突き付けてくる

それに気付いて

「あ、シャワー浴びますか?
お風呂の用意も出来ますが
…あ!社長が一度
酔い潰れた時に
ここに送った事があるだけで
黒尾さんと何かあったとかじゃ
ないですから!!」

気を遣う途中
急に慌てて取り乱す秘書さんに
少し唇の端を上げ

『余計に怪しい…』

イタズラ混じりに呟いてみると

「そ、そんな!
私は…!好きな人居ますから!」

いつもの冷静さは
見る影もなく消えて

「あ、あの!ホントに!
布施さん達が居ない時に
社長を送って
お風呂を借りただけで…!!
いや、私が入ったわけじゃなく
社長の為に湯張りを…」

しどろもどろになって行く
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