白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
『…一回…じゃない…
私…及川さんと何度も…』
「は?なに?」
笑わないよりキツい
『今日が…ハジメテじゃない、の…
二人きりでこんな事になったの…
だから…』
笑えなくしてくんなよ
「いつだよ?
いつから、だよ…
なんで、黙ってた?」
頭が整理できない
『嫌われたく無かった…から
及川さんにも黙っててって
頼んで…隠して…た』
じゃあ何で今更カミングアウト?
もう嫌われても良いって
思った…から?
『ごめんなさい…』
意味が分からない
ツッキーの言葉借りるなら
"理解不能"ってヤツだ
「及川に…抱かれたのか?」
それで情でも移ってしまったのか?
それとも身体だけじゃなくて心まで
奪われたのか?
なんにしても
「そのゴメン、は
俺とはもう居られないからって
事なのか?」
そういう事に聞こえて仕方ない
俺の声に静かに姫凪が
首を縦に振り
『…もう…ヤダ…
愛されるのが…苦しい
一人に…なりたい』
膝を抱えて泣く