白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
「とりあえず!
オイカーくんに明日お説教しねぇとな!
しばらく昼飯奢らせっか?
それとも豪華な晩飯でも
奢って貰おうか?
姫凪はどっちが良い?」
痩せ我慢で良い人ぶって笑っても
きっとオマエは自分を責めるから
それならせめて
笑いに変えてネタにした方が
姫凪の気が楽になると
思ったんだ
見え見えでイタイくらいな俺を
"バカ"って呆れて笑ってくれると
思ってたんだ
なのに…
『…ごめん、鉄朗…
私…及川さんと…』
姫凪は笑わない
俺がもっと笑わないとダメか?
だったら笑うよ
「なんだよ
そんな深刻になんなって
昔、研磨の部屋で寝こけた事だって
あったじゃん?
あの時もお土産のお菓子に
釣られて行って
俺に怒られたのに
この食いしん坊~
まぁ、アレだ!
一回くらいはそんな事もあるって!なァ?」
チョットきついけど
なんて事ねぇ
笑うから
お前も笑えよ
チョットで良い
唇の端を少し上げるだけ
それでオッケーだから
なぁ、そんな顔すんなよ
嫌な予感で潰されそう、だ。