白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
悩みに悩んで
「…分かった
その代わり
ハシャグ雰囲気じゃねぇぞ、多分」
ドアのロックを外す
「ヘーキヘーキ!
俺を信じろ!」
"信じろ"にこんなに
不安になった事は
初めてだけど
グズグズしても居られない
アクセルを踏み締めて
姫凪の部屋に向かう
心臓のバクバクする音が
車の中に響いてる気がする
「あ、酒買ってねぇじゃん!
黒尾くんコンビニ寄ろうぜ」
「木兎さん後で俺が買ってきますから
少し落ち着きましょうか?」
「へいへーい」
赤葦の言葉が
自分に言われてる様に聞こえて
俺も小さく頷き
深呼吸を繰り返す
近くのパーキングに止めて
早足で歩き
姫凪の部屋の前で
足を止める
鍵を回してノブをひねって引く
重たいドアがユックリと
隙間を作る
中からは少し光がもれていて
姫凪が居る事が分かる
「姫凪!」
玄関に靴を脱ぎ捨て
あかりのついてる
リビングに飛び込んだ
…すると
『あ、鉄朗…』
風呂上がりの姫凪が
俺を見上げる