白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
「木兎、マジで悪いんだけど
今日は勘弁だわ
赤葦、後は頼んだ!」
赤葦に木兎を押し付け
部屋に引き返し
車のキーを掴んで
ガレージへ
大きく深呼吸して
車を走らせようとした…のに
「黒尾くん!!開けて!!」
まだ来るか!?木兎よ!!
「だぁから!
今日は飲んでる場合じゃねぇの!
赤葦と飲めよ!
リエーフとか山本とかも
どうせ暇してんだろうし!」
窓を開けて怒鳴るも
「嫌な予感がすんだって!!
一人で行かないほうが良い!
乗っけてけ!
鍵開けてくんなきゃ
ボンネットで暴れるぞ!」
話が通じなくなったとしか思えない
木兎の食い下がり
「…すいません、黒尾さん
俺も説得したんですが
珍しく超絶シツコ…ンンン、頑なでして…」
「黒尾くんがそんな顔してる時は
何かヤバイ事が起こるんだ!
長い付き合いだろ!
俺を信じろ!」
確かに飲みたいだけなら
こんなに必死に食い下がるわけないし
木兎の野生カンもバカには出来ない
気がして来る…