白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
マジでナニカに姫凪との
間を邪魔されてるみたいで
溜息しか出なくなる
「いや、今日は止めとくわ
今から姫凪の所に行くんだよ
…って、あの、ヘンな意味でなく…」
思わず出た言葉を濁したのは
同僚の赤葦の存在に気付いたから
社内恋愛は禁止だから
姫凪も必死に
秘密にしてるわけなのに
普通にバラしてりゃ
世話ないよな…
マジで凡ミス多過ぎて笑えない俺に
「いや、俺らは
薄々は気付いてますから
そんな慌てなくても
大丈夫ですよ
別に俺は言いふらす
性格でもないですし…」
呆れた様に赤葦が話す
「そ、そうデスカ。
じゃあ、俺はこれで…」
赤葦の言葉にホッとして
その場から去ろうとした身体に
「え!?なになに?!
姫凪と黒尾くんって
デキてんの?!
言えよー!
それなら姫凪も一緒に
飲めば良いじゃん!
女っ気出来たじゃん!」
木兎がしがみつく
いや、待て。
ツッコミどころしかないぞ!