白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
落ちるだけ落とす涙
白い肌が熱いシャワーのせいで
ヒリヒリして来たのを感じる
「…謝らなきゃ、な」
水滴を拭き取り
戻るベットルーム
「うそ…だろ?」
姫凪の姿はなかった
鞄も靴もないのに
交わった事だけが
ベットのシーツに残ってる
とりあえずで着た服で
外に飛び出し
辺りを探すけど
もちろん姫凪の姿はない
きっと家に帰ったんだろう
スグ追いかけねぇと!
酒は飲んでないし車で…
チクショウ、鍵は部屋だ
仕方ない、タクシーで…って
こんな時に限って
捕まらないってなんだよ?
天にも逢うのを拒まれてる様で
苛立つ気持ち
ヤッパリ車で…
そう思って引き返した所に
「黒尾さん?
何してるんですか?」
「黒尾くーん!
飲もうぜ!
俺今日早上がりだから
暇なんだよ!
孤爪の家押し掛けねぇ?
あそこなら酒もゲームも
布団も飯もあるし!
女は居ねぇけど!」
「要らないでしょう、女なんて」
まさかの梟谷コンビとの遭遇って
どんなタイミングだよ。