白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
優しく抱いてた
身体を乱暴に抱き上げ
寝室に連れて行く
小さな身体が
派手に暴れて
綺麗に整えられたシーツを乱す
「逃げられねぇって
知ってるくせに
煽ってんの?姫凪」
組み敷いた身体を
撫で回して
「大人しくしてりゃ
痛い思いしないで済むから
…なんてな?
優しく抱くから
震えんなって…なァ?」
姫凪の服を脱がせていく
優しく触れても
まるでナイフを突きつけられてる様に
震えて泣く姫凪に
俺の気持ちは
ささくれ立って
「怖い事してねぇのに
なんでそんな震えんだよ
俺の事だけ考えて
俺だけ感じてりゃ
良いだけじゃねぇかよ…」
姫凪の心に爪を立ててしまう
『今日は、ヤダ…
お願い…離して、鉄朗…』
なんでだよ。
上書きしてって
言ってくれりゃ
それで良いのに
それだけで
少しは落ち着くのに
「…離せたら
泣くお前を
連れ込んだりしてねぇよ
…及川よりイイって
身体が感じるまで
思い出すまで
離さねぇ!」