第5章 歪みに飲まれる愛

「なにサレてても
俺は変わらないから
だから…こっち見ろよ
もう泣くな
ベット…行こう、な？」

腹に溜まるドロドロを
必死に隠して
優しく優しく笑ってみせる
…けど。

『無理…
私に触らないで…』

どんなに優しく語りかけても
頑なに拒否る姫凪

「そんなの無理に決まってだろ」

なァ、お願いだ。

『ごめん、鉄朗…
私…もう…鉄朗に…』

それ以上言わないでくれ

優しくしてもダメなら…って
気持ちが育っちまう

「…もう？
続きはなんですかァ？
言ってみろよ
…そんな余裕があるなら…な」

どんな風に及川に
攻め立てられたか分からない姫凪に
こんな事すんのは
逆効果だって頭では分かってるのに

『鉄朗…待って…！』

「イヤに決まってんだろ？
他の男にヤラれっぱなしで
大人しくしてられる程
俺はオトナじゃねぇんですぅ
…何回イカされた？姫凪
俺以外の男…どうだった？」

嫉妬に蝕まれる心が
鋭く尖って
姫凪を傷付ける