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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


長引いた打ち合わせ
暗くなった空を睨みながら
部屋に帰ると
姫凪は明かりの消えた
リビングのソファーに黙って座ってた

「姫凪、ただいま」

『鉄朗…あの…』

腫れた目は
長く泣いてたのが見て取れる

「腹減ったー!
飯まだだろ?
どっか食いに行こうぜ
久々に居酒屋行って飲むか?
それとも豪華に
フレンチ行くか?
…なぁ、泣くなよ
美味いもん食って
笑おうぜ?」

姫凪に近付き
肩を抱くと
フワリと慣れ親しんだ
シャンプーの香り

いつもと変わらないはずなのに

『鉄朗…ゴメンナサイ…』

姫凪は俺を押し返して
また涙を流す

「なんの事ですかァ…?
あぁ、飯作ってなかった事?
別に良いって!
てゆっか、遅くなって謝るのは
俺の方だろ?
ほら、食いに行こうぜ
なぁ…泣くなよ…
俺は何にも知らないから」

押し返された腕を掴み
引き寄せ思い切り抱き締める

「辛い事は忘れろよ
俺は姫凪が居れば
それ以上何も望まないから
お前には…笑ってて欲しい」
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