白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
「ありがとう。
頼んで正解だった
クロに及川サンの住所聞いて
姫凪を送ってくれない?
付き添う必要はないから
ただチャント送って
シッカリ寝る様に言ってあげて」
「畏まりました
黒尾様、住所分かりますか?」
目の前で淡々と交わされる会話に
ポカンとしてる俺に
「私が責任持って
お迎えに行きますから
お任せ下さい」
秘書の子が
ニコリと笑い掛ける
いつも仏頂面してるからなのか
ヤケにその笑顔に
ホッとして
「ありがとう。
今度、御礼を…」
その子に話し掛けようとした声を
「要らないから。
これも仕事なんだし
普通以上に給料は払ってる。
ノンビリしてないで
姫凪の所に行きなよ
クロも焦ってるんでしょ?
サッサと住所教えて行かせなよ」
研磨が不愉快な顔で遮る
ん?
…あ~ね?
研磨もオトナに
なってるって事ですかね。
「研磨社長は
秘書チャンを
独り占めしたいって事ね~?
ハイハイ、分かりましたよ
御礼は研磨社長から
タップリ貰ってねェ?
これで良いですかァ?」