白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
少し怯んだような空気が伝わり
沈黙の後に返ってきた
声は冷静に聞こえるけど
何かを考えながら
話してる様に
気持ちが入ってない
こういう時は
大抵内心オロオロしてるか
挑発してやろうと
俺が怯むのを待ってる
さぁ、及川。
オマエは?
「へえ?そうかよ
じゃあ今隣に居るのも
姫凪が変なLINE送って来て
その姫凪の電話に
オマエが出んのも
タマタマって事かァ?」
〈…そんなわけないじゃん
寝てる姫凪ちゃんの代わりに
俺が打って
電話に出たんだよ
なんで俺の部屋で寝てるかは
想像したら分かるよね?〉
…そっちなわけね。
オロオロしててくれたら
怒りに任せて
黒いオーラ出して
ぶっとい釘でもさしてりゃ
良かったのに…な。
全く、厄介な相手だな
「…オイカーくんの部屋に居るんだな?
研磨の秘書の子を向かわせるから
起こしといてくんね?
眠りこけるくらい疲れてるなら
落ち着く場所で寝かせてやりてぇから」
大きく息を吸い込み
一気に吐き出した言葉