白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
〈姫凪!
どうした?気分でも悪いか?!
研磨に頼んで秘書の子
そっちに向かわせて
病院行っとくか?
今月の生理遅れてるって言ってたし
もしかしたら赤ちゃんが…
声、出せねぇくらい辛いのか?
姫凪?何でも良いから喋ってみ?〉
最初こそ焦って
声を荒げたけど
必死に立て直し
なるべく優しく声を掛け
返事を待つ
そんな俺に返って来たのは
〈大丈夫だよ、クロちゃん
寝てるだけだから〉
聞き覚えしかない声。
そうさっき聞いたんだよ
この声を。
嫉妬が込み上げる
今までも
オイカーくんが姫凪に
絡む度に嫉妬はした
その度に釘はさしてきた
転勤が決まってからも
コッチには来てたけど
その時はそこまで絡みもなくて
"あぁ、やっと諦めたか"くらいに
思ってた所にコレだ
「どういう事だ?
なんで姫凪と居るんですかァ?
お前の用事って
まさか姫凪じゃないよな?
なァ?及川」
俺がこうなるのも無理はねぇだろ?
〈…会ったのはタマタマだよ〉