白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
約束ほぼドタキャンだし
不機嫌になる事を覚悟しながら
〈クロちゃんどうしたのさ
もう用事終わったの?〉
「悪ぃ、それがさ
チョット長引きそうなんだわ
研磨からも呼び出し掛かってるし
オイカーくんに時間割くの
遅くなりそうなんだけど
今日じゃねぇとダメな感じか?」
話を切り出した
チクリと言われるかと思いきや
オイカーくんの反応は
意外なほどアッサリしてて
俺はホッとして
電話を切ったんだ
ホッとなんかしてる
場合じゃ無かったのに
俺は呑気に仕事の待つ
会議室に戻った
ヤッパリあまり
上手くいかない話し合いは
お互いに再検討という
実りのない結果に終わり
「では、再検討して
また後日お伺いしますので
よろしくお願いします」
頭を下げて
先方を後にする
時計を見ると
研磨の電話からカナリ時間が
経っていた
ここから研磨の所行って
会社に戻って
見積もり出し直して……うん。
残業確定だな。
姫凪に有給取れなんて
言わなきゃ良かったかも。