白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
塗り潰した
ナナとの約束に
痛む胸に気付かないフリをして
「今の部屋の契約の事もあるんで
なるべく早急に話を
進めて貰いたいんですが」
2ヶ月程先の
まだ白いページに目を落とす
「どんだけ行きたいんだ
向こうはそんなに楽しかったか!」
「…そうスね~
苦さがクセになっちゃったって
感じ…っすなぁ~」
俺の言葉に不可解な顔したまま
続いた話し合い
トントン拍子に栄転の話は決まり
俺の家は東京都内へ
移る事になったのだけれども…
「おい、こっちの部屋は
俺で良いだろ?
つーか、ダンボールの箱の数エグいな
どんだけ持って来たんだよ」
「…チョット!岩ちゃん!
そっちは及川さんの部屋って
内見の時に
行ったじゃん!!」
まさかのいつものコンビで
引っ越し作業
「細かい事言うな
ケツの穴ちいせぇな。
どうせ部屋見つけたら
出て行くんだから
グタグタ言うなや」
そう。
岩ちゃんはお手伝いではない。
また一緒に住む事で
話は進んでる