第5章 歪みに飲まれる愛

やっぱりダメだ
このまま抱いたら
余計にナナを傷付けるよ

「ナナ、ごめん。
さっきは少しウソついた。

その子とは最後までしてないし
その子には彼氏も居て
俺なんか相手にもされてなくてさ
執着するだけムダな相手なんだけど…

俺…本気でその子に惚れたんだ
何回ナナとセックスしても
きっとその子のキスを
忘れられない…と、思う
甘い声を感触を
ナナと重ねて比べちゃう

その子を想いながら
ナナを抱けない

だから…ごめんね
別れよう」

吐き出した声に
ナナの涙の速度は加速して

"嫌だ"と駄々をこねる身体は
更に俺に密着する

わざとなのか
無意識なのか
大きな胸が
俺を誘うように
押し当てられ胸板で潰れる

「ナナ…」

「徹が好き…
別れるなんて嫌だよ」

はだけた俺の服に手を掛けて
肌に唇を這わせるナナ
エッチな誘い方も
可愛い上目遣いも
俺が全部教えた
俺好みの仕草