白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
必死に縋るキミは
とても魅力的で
とてもとても可愛い
このまま抱いてしまえば
俺の気持ちも少しは
変わるのかも知れないね
けど
「そんな煽って良いの?
めちゃくちゃにするよ?
………姫凪ちゃん」
ゴメン。
わざと間違えた名前に
一瞬で凍り付く
ナナの表情
そして
「…最低!!」
バチンッと叩かれた左頬
「俺に抱かれるって
こういう事だよ」
だから止めなよ
キミから離れて
振られたなんて泣く事がない様に
キミが俺を
「…徹のバカ…!」
嫌ってくれ
「うん、バカだよね
止めたほうが良いよ
もっと良い奴が居るからさ」
憎んでくれて良い
最低だとふれ回ってくれても良い
「…そうだとしても…
嫌えない…よ
徹のバカ
こんな事で振られた気に
なんないで…!」
許そうとしないでよ
お願いだから
「振ってよ
最低な事してるんだから」
「最低でも好きなの」
「俺は…止めなよ」
「そんな簡単じゃないよ
そんな簡単に心は変わらない」