白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
珍しく化粧もしていない
服も適当だし
髪も盛ってなくて
まるで今飛び起きて
ここに来たみたい。
「どうしたのさ?
寝起き出来たの?」
いつもと違い過ぎる
ナナにクスリと笑う唇が
「岩ちゃんから連絡来た…
徹と早く仲直りしなきゃ
終わるぞ…って…」
言葉を飲み込んで
固く結ばれる
バカ岩ちゃん。
気がきかないのか
気がききすぎなのか…
呼ぶタイミングが
神と悪魔 紙一重なんだよ…。
「そ、そう…
で…そのカッコ?」
「うん…オフってたから
なんにもしてなくて…
そのまま走って来た…」
不安に眉を下げて
俺を見つめるナナに
胸がグッと痛くなる
ワガママで気分屋で
喧嘩もイッパイするけど
嫌いだなんて一回も
思った事なくて
大切にしたいって思ってたんだ
ナナの事…
「ごめんね?
電話も無視したり…
つまんない事で…怒ったり…
ゴメンネ…徹…」
俺が座るベットに
ユックリ近付く
細くて頼りない
ナナの身体