白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
コンビニ行くなら
気持ち切り替える為に
コーヒーも買って来て貰おうかと
鞄を探る俺に
「姫凪って誰だ?」
低い声が突き刺さる
「ハ、ハァ?!
なんの事?!
姫凪なんて知らな…」
「さっきから
姫凪ちゃん
姫凪ちゃん
うっせぇんだよ
オマエのオンナは
いつから姫凪ちゃんって
名前になったんだ?」
このドストレートで
ド真面目な岩ちゃんに
「及川さんの彼女は…
ナナ…じゃなくなるかも
知れない…だけで
姫凪ちゃんが
彼女になったわけじゃないよ…」
下手な言い訳が出来るわけなくて
今言える最大限を伝えるけど
「…それなら尚更
ナナに会わねぇと
駄目なんじゃねぇの?
ウダウダしてる場合かよ」
もっとドストレートに返されるだけ
「そんな簡単じゃないんだよ
喧嘩も…してるし、さ」
岩ちゃんの言う通り
先延ばしにする事じゃないんだけど
アッサリバイバイ出来る程
軽い関係だったわけでも
ないんだよ、本当に。