白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
言い難い事なら言わなくていい
抱き締めるのも
受け止めるの
姫凪への優しさだと思ってた
「今日なら一緒に
行っても変に思われないだろ
手…は、駄目だから
せめて隣に並んでクダサイ」
偶然会った
経理のあの子に軽く感謝して
レアに二人でご出勤して
仕事をこなす
ランチは赤葦と食べて
昼からは外回りと会議
内勤の姫凪とは
すれ違いが続いたけど
焦ってはいなかった
だってさ
「おいよいよい…
来ないってなんですかァ?」
夜も逢えないなんて
思ってもなかったし。
「黒尾さん?どうしたんですか?」
「赤葦~
彼女が逢いに来てくれないって
どういう事だと思うか!?」
「は?会いたくない以外にありますか?」
「会いたくないって理由はナイんですう!
それ以外で!!」
"今日は家に帰ります"とか
寂しいメッセージの浮かぶ
携帯にため息を吐きかけながら
[どうしても?]
なんて諦め悪く送ってみる