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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


口説かれてないって言うのは
きっとウソで
多少はドキドキしたんだろう

まぁ、あの顔で
あの声で口説かれたら
ドキドキしない方が
珍しいんだろうし

口説かれても
ドキドキしても
俺はオマエが俺を好きでいてくれるなら
そんな事くらい
何でもないのに

『鉄朗…ホント、なんにも…』

姫凪はこんなに
切羽詰まってる

なら、俺がやるべき事は…

「うん、わかった。
オイカーくんと給湯室に居るの
見たって聞かされて
妬いちゃっただけ
姫凪が何にも無かったって
言うなら…信じる
もう聞かないから
そんな顔すんな」

姫凪の零す
"何もない"を
信じる事だよな

今にも涙が落ちそうな
目元を優しくハンカチで抑え
オデコから下に
ユックリユックリ
キスを落としていく

「大丈夫。
俺は姫凪を信じてる
だから俺に安心して
愛されてろ」

『鉄朗…』

「姫凪、愛してる」

とびきり優しいキスで
返事を飲み込む
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