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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


そんな俺を

『おはようございます』

「え?」

『…珍しいですね
電車ですか?』

姫凪が見ていたとか
なんのイタズラだよ

しかも

人混みに潰されない様に
背中を押そうとしてた
手を慌てておろしたのも

「あ、布施さん
おはようー!
この時間だっけ?
いつも早いのに珍しいね」

『…ちょっと寝坊して
ギリギリになっちゃって…
黒尾さん、エスコート中なのに
お邪魔しました
私、こっちの車両に行きますから』

バッチリ見られてるとか
笑えねぇって。

「お、おい!
姫凪…ちゃん!」

『失礼します、また後で』

追い掛けようとした足は
開いた電車の入り口に
飲み込まれる人並みに
遮られてしまう

「布施さんって
プライベートでも
物静かなんですねー
そっちの部署でも
赤葦さんと話してる所しか
見た事ないし…」

「そうか?
そんな事ねぇと思うけど?」

隣の車両に乗ってしまった
姫凪の頭を探しながら
テキトウに応える俺
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