白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
一人慌ただしい
目の前の女の子が
揶揄った時の姫凪と
少し重なって
クスリと笑いが零れると同時に
昨日、今日の朝
姫凪と
あんまり笑いあってなかった事も
思い出し
笑顔に漏れる溜息。
「…そういう顔
反則だと思いますよ
笑ったり憂いたり…
凄いドキドキする…!
ねぇ、黒尾さんって
いつもカノジョの話だけ
乗ってこないですよね?
…カノジョ居ないの?
それとも女子に興味ないとか?!」
「居ないように
見えますかァ?
話に乗らないのは
ウチのお姫様が
そういうので盛り上がられるのが
嫌いだからですぅ
まぁ、興味ないのは
半分当たりかもな
カノジョにしか興味ねぇの、俺」
「え!?マジですか
聞かなきゃ良かったぁ…」
ショックを受けている様だけど
相変わらず百面相な彼女の顔は
やっぱりどこか姫凪と似てて
「聞いちまったもん仕方ないだろ
諦めて早く乗りなさいよ
端っこ取らなきゃ
潰されちゃうでしょうが」
ついつい世話を焼いてしまう俺