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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


オマエが居る
それだけで良かったのに

「…姫凪?
…寝てる間に帰るなって
言ってんのに…馬鹿野郎」

なんで上手く行かないかなァ…

隣が空になったベットの上で
目を覚まし
香りが移ったシーツに
顔を埋める

姫凪は朝飯を作って帰ったらしく
リビングには
俺好みの和食の朝食と
"温めて食べて"の書き置き
まだ温かいから
きっと少しの差なんだろうな

オマエが居なきゃ
出来たてだって
冷たく感じる

いつもなら
昼休みに呼び出して
お仕置きエッチだけど
今日はそうはいかない

やっぱり上手くいかねぇなァ

手早く朝食と支度を済ませ
向かったのは
姫凪の最寄り駅
せめて一緒に行こうと思って
足を運んだんだ

なのに…

「ここでもすれ違う?」

いつもの時間に
姫凪は現れなくて
人の波だけが
通り過ぎて行く

一本早い電車に乗ったのか
体調悪くてズラしたのか
どっちか分からないけど
知らない顔ばかりが
瞳に映っては消えて行く
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