白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
「どうした?
ははーん!イケメンが来るから
社内の人気掻っ攫われるとか
心配してんだな!」
「そんなわけないじゃないスか!
てゆっかそれを言うなら
赤葦入った時点で
掻っ攫われてますよ」
別に女子人気なんか要らない
熨斗付けて譲りたい
俺には姫凪だけ居れば良いし
あ、そうか…
姫凪に会わせたく無いだけだ
なんだよ
ただの過保護じゃん
俺どんだけ?
ストンと腑に落ちた
モヤモヤの理由に
「じゃあ何で
そんな不満そうなんだ?」
「いや、不満なんてないスよ~?
良いと思いますよ
オイカーくん栄転案」
頭も心も
「ど、どうした?
いきなりスッキリされても
こっちは戸惑うんだが…」
「イヤイヤ
それはトップシークレットなんで
とりあえずコレカラ忙しくなると
思うんで
話は早目の方が良いと
思いますよ~」
口まで軽くなる
自分の過保護具合に
呆れるやら
カッコ悪いやらで
ペラペラ回る唇を
時を戻せるなら
縫い付けてやるのに。