白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
『鉄朗、私チョットお手洗いに
行ってくるね』
俺達が一通り
盛り上がり終わったのを確認して
姫凪が口を開く
「一人で大丈夫かァ?」
『当たり前ですぅ
スグ戻るから』
スルリと腕から抜け出した
小さな背中を見送って
行き先の相談を始めようとした矢先
「悪いけど
俺は帰るよ。
友達と飲む約束あるし
お土産渡さないと駄目だからさ」
オイカーくんのイキナリの離脱宣言
「マジ?」
「ウソ言うわけないじゃん」
いや、まぁ…そうなんだけど
なーんかチョット違和感
「帰るなら止めないけどよー
せめて姫凪が帰ってから
帰れば良いじゃん?
バイバイくらい言おうぜ~」
それな。
そういう所ヘンに律儀な性格に
見えてたんだけども…?
「送別会は昨日して貰ったし
別に良いよ
向こうもリアクションに困るだろうしね
じゃあ、また
東京来た時はよろしくね
今度こそ部屋とり忘れないでよね」
「お、おい…
本気で帰る気か?
ゆーて姫凪も
スグ戻るし…お、おい…!」