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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


今思えば
俺の能天気な態度が
悩みを深くしてたんだけど
そんなの分からねぇから

「俺で良かったら聞きますよ?」

ヘラヘラ笑って話を振り続けた

「…ねぇ、クロちゃんは…ないの?悩み」

「質問返しかよ
悩みねぇ…
姫凪の体調が不安定って所カナ
今日もなんか辛そうだったし…
一緒に住んじまえたら良いんだけど
結婚するまでは~って
頑ななわけよ
今回のプロジェクトが成功したら
寿退社作戦だ、って
話にはなってるから我慢すっけどさー」

ついつい話し過ぎる身内事情に
オイカーくんの吐く煙が絡み付く

「で?そっちは?結婚はまだなわけ?
彼女どんな子よ
オイカーくんの彼女とか
想像出来ないんだけど…」

話し過ぎた私事に少し恥ずかしくなり
外れた話題を元に戻そうと
顔を覗き込んで笑うと

「…良い子だよ
ワガママだけど素直でさ
俺には勿体無い位ね」

顔は笑顔だけど
目の奥はどこか冷めた感じの
オイカーくんが
更に濃い煙を吐き出す
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