白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
すると
「おぉ、そうだな!
んじゃ外で待ってるから
早く決めて出て来いよ~」
木兎がオイカーくんから離れ
ブンブンと手を振る
「「え?!」」
思わず揃う俺らの声に
「え?飯一緒に食わねぇの?
いっぱいで食う方が上手くね?」
当たり前の様に木兎が言い放つ
いや、別に嫌なわけじゃないが
木兎の思い付きにに巻き込まれて
いつもグッタリしてる
研磨を思い出して
一応ストップを掛けようとするけど
「木兎、勝手に決めんなって
オイカーくんにも予定ってモンが…」
「は?帰るだけだろ?
駅弁も良いけど
新幹線の中は静か過ぎて
なんとなく苦手なんだよなー」
木兎の勢いは止まらない
新幹線の中での駅弁は
あの空気ごと美味いんじゃん!とか
オイカーくんの意見を聞け!とか言って
なんとか暴走を止めようとした
俺の耳に
「…飯くらい別に良いよ
とりあえずお土産選ぶまで
外で静かに待っててよ」
乗り気とも思えない
オイカーくんの声が響く