白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
「こんな所で何してんだ?
研磨に駅まで送って貰ったはずだけど…」
「ソックリさんじゃね?」
「ソックリさんにしては
似過ぎでしょう。
もはやドッペルゲンガーですよ」
「俺死ぬ!?」
なんで木兎が死ぬんだよ
とか、ツッコミ入れる前に
「死ぬ前に捕まえろー!」
「あ、木兎さん…」
木兎がオイカーくんに向かって
走り出した
仕方なく木兎を追って
赤葦と雑貨屋に入ると
「チョット!なんなのさ!」
「なにやってんだー!
迷子かー?」
「お客様、もう少しお静かに願います」
羽交い締めにされたオイカーくんと
ドッペルゲンガー騒ぎを忘れた様に
戯れる木兎が店員さんに
注意されていた
「あ、クロちゃん助けてよ!
お土産もゆっくり選べない!」
俺に気付いたオイカーくんが
木兎を何とかしろと訴える
「こらこら木兎~
邪魔すんなァ
飯食いに行こうぜ?」
オイカーくんを助ける義理はないが
お土産の内容からして
彼女にだろうし
邪魔されるのは可哀想だしと
木兎の首根っこを掴んで
店から出そうと引っ張る