• テキストサイズ

白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第4章 消せない昔、消えない今(後)


『及川、さん?』

「昨日、無理矢理して泣かせた事
もう忘れる程バカじゃないよ
姫凪ちゃんがあんまり可愛いから

ついつい悪ノリしちゃった
ごめんよ?」

優しく撫でられた頭に

「俺はこの後、合流しないで帰るんだ
そう言ってクロちゃん達に
バイバイして来た
最後に伝えたい事があったから
ココに来たんだよね」

穏やかに落ちて来る声

ホッとしたはずなのに
どこかモヤの掛かった様に晴れない
変な気持ちが私を包む

「もう行くから
チャント聞いてよ」

及川さんの声に慌てて顔を上げると
さっきまでの男っぽい仕草とは
全然違う事務的な笑顔が映った

『は、い』

「孤爪ちゃんに預けたモノ
まだ受け取ってないでしょ
チャント貰っておいてね」

『研磨くんに?』

「大したものじゃないんだけどさ
初日にハンカチ汚しちゃっただろ?
新しいの買ったんだよ
そんな高い物じゃないけど
結構悩んで選んだし
ハンカチに罪は無いから
使ってね」

『あ…そうなんですね
ハンカチくらい気にしなくて
良かったのに…』
/ 1242ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp