白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
「素直になりなよ?
熱いんでしょ、身体…」
『違う…私は鉄朗だけです』
「俺に会うまでは、でしょ?」
『今も昔もずっと…です
離して…よ!』
及川さんが妖艶に笑う顔を
睨み付けて見せるけど
私を抱き締める力は
一向に緩まなくて
「嫌だね…バーカバーカ…
話したくなくさせる
姫凪ちゃんが悪い…
俺をこんな気持ちにさせたの
キミなんだから…」
抱きしめられた身体は
物陰に引き込まれ
壁に押し付けられ
「大人しくしてなよ
騒いだら来ちゃうよ
通行人も……クロちゃんも」
震える身体に
長い指が這う
嫌なのに抵抗したいのに
身体が動かない
「姫凪ちゃん
そんな顔されたら止まれない」
そんな顔?
私どんな顔してるの?
「俺の指が動く度に
凄くエッチな顔になってる」
嘘だよ、そんなの…
私は鉄朗以外に
エッチな気持ちになんかならないし
エッチな顔もしない…!
否定する為にも
拒否しないとイケないのに
『なってない…』
弱々しい声が漏れるだけ