白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第4章 消せない昔、消えない今(後)
真剣な顔と
ヘラヘラ笑う顔
どっちが本当か分からなくて
見上げた目が
綺麗な横顔から離れない
そんな私に気付いた及川さんが
「クロちゃーん
姫凪ちゃんが暇してるよー
及川さんが相手しちゃって良いのかーい?」
「はぁ!?駄目ですぅ!
姫凪こっち来なさい」
「だってさ。
ほら早く行きなよ」
私の背中を押して
鉄朗の隣に戻す
昨日の夜の事が
夢みたいな
距離の取り方に
及川さんがドンドン分からなくなる
アレは全部冗談だったの?
それとも
悪い夢だったのかな?
「姫凪、身体大丈夫なのか?」
『うん、鉄朗のご飯食べたら
元気になった…みたいな?
えっと…木兎さんと赤葦さんだけじゃ
無かったんだね…
ビックリした』
私の顔を覗き込む鉄朗に
笑顔を返しつつ
及川さんに視線を送る
「あぁ、帰ったと思ってたら
なんかフラフラしててさ
飯も食ってなかったみたいで
木兎が強引に巻き込んだんだよ」